空いたスペースに防災グッズを


これから引越しするところが、沿岸部だったり、川が近かったり、標高が低い土地だったりすれば、それぞれの土地に応じた防災対策が必要です。住む場所の地盤や建物に応じた対策を、引越しを機に考えてみましょう。

引越したら、今までの防災対策と同じではいけない!

地震が多い揺れやすい土地だったら、耐震グッズは必要です。集中豪雨などですぐ川の水位が上がるような地域では、水害を想定しなければなりません。裏手に崖や山があれば、雨の時には土砂崩れの危険性もあります。まずは周囲の環境を知り、想定しうる災害に備えることが大切です。

その土地の特性を知ることが大切

過去にどのような災害が起こり、これからもどのようなことが危険視される地域であるかは、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で詳しく調べられます。住所検索で新住所の町名まで入れると、洪水や地すべり、土石流、津波などの危険のある地域かどうか一目でわかります。

大雨により一部の道路が水に浸かって通れなくなることもしばしばあります。そのような冠水の危険性のある道路も地図上にマークされるので便利です。大雨で道路が渋滞していたため、空いている道路を選んで進んだら、冠水で通行止めになっていた…なんてことも、知らない土地ではありがちです。

※参照URL:国土交通省ハザードマップポータルサイト
http://disaportal.gsi.go.jp/

最寄りの避難所はどのくらいで行ける?

引越して転入届を出すと、役所で自治体の広報誌や地域のハザードマップなどがもらえます。自分の家から最寄りの避難所まで徒歩でどのくらいで行けるのか、家族全員で実際に歩いて確認しておくと良いでしょう。

強い地震が起こると、倒壊した建物の瓦礫が道を防ぐかもしれません。住宅が密集していれば、火災で延焼した場合に行く手を阻まれるかもしれません。最短距離が必ずしも安全ではない場合もあります。周辺の環境を見ながら、家族で安全な逃げ道を相談しておきましょう。

避難する場所や建物の設備を見ておけば、非常の際の持ち出し袋も、何が必要かわかりやすいです。

引越したからこそできる対策がある

引越しで家具を入れる前には、防災を考えた配置にしましょう。空っぽな状態だからこそ、最善の配置をすることができます。また、家具を置く前に床に敷くタイプの耐震グッズも利用できるので、引越しを機に万全の対策を立てておきましょう。

安全優先の家具レイアウトを考える

では、安全な家具のレイアウトとはどういったものでしょうか?一番気にしなければいけないのは寝室です。寝ている間に突然強い地震があっても、枕元に何も倒れてこないような配置が理想です。なるべく不安定な背の高い家具は、他の部屋に置くようにしましょう。テレビなどの重たいものも、近くに置かないようにしましょう。

そして、部屋の出入り口のドア付近には、背の高い家具を置いてはいけません。家具が倒れかかってドアをふさいでしまうことになります。室内に子どもがいても、外からドアが開けられないようでは救助ができません。

家具の転倒防止グッズや耐震対策を!

背の高い家具の転倒防止対策として、天井と家具の間に突っ張るタイプの防災グッズがあります。天井と家具の間の長さを測り、しっかりと固定できるものを用意しましょう。持ち家なら、L字の金具で壁に固定することもできます。

また、家具の下に敷くタイプの耐震グッズがあります。家具の手前に敷くことによって壁に傾けるようにして、重心を奥にかかるようにし、手前に倒れることを防ぐものです。液晶テレビは、固定金具を使って倒れないように壁に固定しましょう。

食器棚のガラス部分には飛散防止のフィルムを貼るほか、重いものを下に入れて、上には軽い割れないものを並べるなど、収納を工夫してみましょう。扉が開いて中の食器が飛び出さないようにするグッズもあります。窓ガラスも、必要に応じて飛散防止フィルムを貼っておくと良いでしょう。

ただし、いくら転倒防止の対策をしても、完璧ではありません。下から突き上げる強い直下型の揺れの場合は、重たい家具が浮いてしまうことがあるため、敷くタイプの耐震グッズから外れることもあります。

また、突っ張りタイプのものは、天井の接地面の堅さによっては、十分な強度が得られないこともあります。天井に厚めの堅い板を当てるなどして、十分な強度が得られるように工夫しましょう。グッズの説明書や公式サイトのQ&A、注意点などをよく読み、正しく設置しましょう。

耐震対策サービスを行う引越し業者も

自分で考える防災対策にも、限界があります。引越し業者によっては、有料のオプションサービスで耐震サービスを行ってくれるところもあります。どこにどのような対策が必要か、どのような防災グッズが適しているのか、診断してもらうのも良いのではないでしょうか。

長く住むことになる家なら、一度設置すれば長く使えます。プロが判断して設置したものなら、安心感も違うかもしれませんね。

非常持ち出し袋は、優先順位を決める

耐震に対する備えも必要ですが、万一の際の防災用品や衣類、食料、水、消耗品なども必要です。すぐに家を出て避難しなければならない時には、あれもこれもと欲張ってはいられません。小さな子どもが2人いれば、抱きかかえて逃げるだけで精一杯です。

これから住むことになる土地では、非常時には何が優先して必要なのか、それに対して優先順位を決め、荷物をまとめる必要があります。

居住階が高層階なら、階段を使うことになる

マンションの高層階に住んでいる場合は、地震が起きればエレベーターは最寄りの階で止まります。安全が確認できなければ、動かすことはできません。さらに停電が起きれば、自家発電がないところではエレベーターは使えません。

非常階段のささやかな灯りを頼りに階段を下りることも、想定しなければなりません。そのため、荷物が重くならない工夫も必要です。

一次持ち出し、二次持ち出しに分ける

避難する際に家族が全員そろっていれば、1人ずつリュックを背負って分担して非常袋を持ち出すことができます。しかし大人が自分1人しかおらず、加えて乳幼児が2人や3人いる状況では、身の安全の確保が第一です。とっさの時では、貴重品を携帯することもままならないかもしれません。

1つの袋にすべてを詰めるのではなく、子ども全員と逃げても運べる程度の必要最低限のものを詰めた「一次持ち出し袋」を作っておきましょう。身の安全が確保でき、チャンスがあれば、「二次持ち出し袋」を取りに戻りましょう。ただし、自分で勝手に判断して単独で行動しないようにしましょう。

政府の推奨する非常袋の中身は、以下のようになっています。季節や家族構成に応じて、適宜変更しましょう。

飲料水、食料品

ペットボトルの水は長期の保存ができ、お米を炊く時やカップ麺などにも欠かせません。人数分用意し、夏場は多めにストックしておきましょう。お茶やジュースを備蓄するなら、消費期限の見直しを定期的に行って随時入れ替えましょう。

手間なく食べられる食品は、乾パンやビスケット、クラッカー、缶詰、レトルト食品です。乳児がいる家庭では、ミルクや離乳食なども成長に応じて中身を入れ替えましょう。

衣類、下着

季節ごとに入れ替えましょう。子どもの成長に合わせて、サイズがきつくなっていないかなど適時確認する習慣をつけましょう。防災用の紙製の使い捨て下着などは、通販サイトで購入できます。

救急用品、衛生用品

ばんそうこう、常備薬、生理用品などです。感染症予防のためにも、使い捨てマスクや除菌ウェットティッシュがあると安心です。オムツは、子どもの成長に合わせたものに随時入れ替えましょう。ドライブ用の携帯トイレなども準備してくと良いでしょう。

身体を保護するもの

ヘルメット、防災ずきん、軍手などです。余震の中、避難しなければならない時に、頭を守ることは大切です。

ラジオ、懐中電灯、携帯電話の充電器、乾電池

夜に停電になると街中が真っ暗になるため、スマホのライトでは心もとありません。ラジオが付いている大きめの懐中電灯を用意しましょう。電池がなくても手動で作動する、ソーラー機能付きのラジオは便利です。

使い捨てカイロ、毛布

冬は、寒さ対策も考えなければなりません。特に寒い地方は、使い捨てカイロや毛布の利用など、どんな方法で暖を取るのか考えておきましょう。

洗面用具、タオル

水も満足に使えないことを考えて、洗顔ペーパーやボディペーパーがあると良いでしょう。赤ちゃん用のお尻拭きは、厚手でしっかりしていて広範囲を拭けるため、最近起こった大きな災害時に重宝されたようです。

参照URL:首相官邸の防災関連のページ

自然災害は、いつどこで何が起こるかわかりません。たまたま災害が起きなかったからといって、この先も安全であるとは誰にも保証ができません。これまであまり関心を持っていなかった人も、引越しをしたら、その場所に合った対策が必要です。今まできちんと対策をしていた人も、新居でも同じ対策で良いのか見直してみましょう。